『今日はお祝いにおうちでステーキ!』
『やったぁ!ママ大好き!』
そんな声が聞こえてきそうな日曜日の夕方。
高級な和牛も買ったし、あとは焼くだけ!準備万端!
『…ちょっと待って!』
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冷凍されているけど、どうやって解凍したらいいんだろう?
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強火で焼いたらいいのよね?
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塩は焼く前に振ればいいの?
高級なお肉がゆえに失敗は許されない…そう思うと意外に考えないといけないことが多いステーキの解凍方法や焼き方。
重要なポイントは3つ!
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完全解凍
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中心温度60度
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余熱で中心まで火を
まずはこのぺージを見るに足る人間が書いているか自己紹介をさせていただきます!
【目次】
【1.解凍方法】
まず1つ目のポイントであげた【完全解凍】。
1番最初の問題で、私の中では”最重要事項”に位置する解凍方法。
『冷蔵だから解凍はいらないわよね』と思われていませんか。
それは間違いです!
この解凍方法こそちゃんとできていないと、柔らかさや旨みが全く違います。高級で良い肉でさえ硬くて美味しくない肉になることも…
正しい手順は
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冷凍状態の場合、1日前(24時間前)に冷蔵庫のチルド室で解凍。
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食べる1時間前(夏場で部屋が暑い場合は30分前)に常温に戻します。
1日前から解凍というのが、皆さん『解凍し忘れちゃったけど、まぁいっか』てな具合で、解凍せずに焼きがち。…なんですが
これはほんとにやめてください!
正直解凍せずに食べるぐらいなら食べない方がまし!
それぐらい声を大にして言いたい!
解凍は必ず1日前(24時間前)に必ず実施して下さい。
また冷蔵庫よりチルド室がおすすめ!
冷蔵庫より温度が低いため、ドリップの流出を防ぎます。
そして意外に2番目ができていない。
むしろ勘違いしている人が多いのが、
『なんか常温に置いてたら腐りそう』という考え。
解凍は冷蔵庫だけと思われている人が多いですが、これはダメ!
常温で解凍しないと、表面は凍っていなくても、肉の中心はまだ冷たく凍っています。
そのため焼いた際に、中心まで火が通らず、硬いお肉に。
常温に置いて、中心まで【完全解凍】された状態で、焼くように心がけるだけで全く別物のお肉になりますよ!
【2.塩の準備】
ステーキと言えば塩!
この塩の使い方は覚えてほしい方程式が2つあります。それが
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『100g=1g』
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『外国産は先塩・和牛は後塩』
まず100g=1gですが、塩の適量は明確に存在してそれが100g=1g。
『いやいや、塩の量なんて人それぞれでしょ!』と聞こえてきそうですが、
これは言えちゃうんですよね。
まずそもそも人間になぜ”味覚”が存在するのか?
それは安全に栄養を効率よく摂取するためなんです。
人間の身体にも塩分濃度という概念が存在し、人類みな0.85%なんです。
これが著しく狂うと生命の危機となります。
特に塩分の過剰摂取は即死レベルですから、この判断を間違えてしまうと大問題。
だからその重要な塩分濃度が食事のたんびに大きく狂ってしまわないようにするために”味覚”が存在するんです。
塩分濃度が高すぎるものには塩辛く感じ、少なすぎると物足りなさを感じるように身体の構造上そうなっているんです。
これを踏まえて、人間全員が塩分濃度0.85%ということは、みんな同じくらいの塩分を欲するというわけで、それが『100g=1g』なんです!
塩を後付けする場合は、『100g=1g』
塩を先に振ってからフライパン等で焼く場合は、フライパンに塩が残ることを想定して『100g=1.1g』と覚えてもらえればOKです。
ここからは上級編!
召し上がる時の自分の体調を考慮して下さい。
今日は野球をしたから一杯汗をかいたな!という場合は、自分の塩分濃度が減っているので身体が塩分を欲しています。
そのため100g=1gより少し多め(1.1~1.2g)がベストとなります。
逆に家でポテトチップス等を食べてのんびり過ごしている場合は、塩分濃度が増えているため、身体が塩分を求めていません。
そのため100g=1gより少なめ(0.8~0.9%)が美味しく感じられます。
そしてもう一つ!肉に応じて塩を振るタイミングが違うんです。
『外国産は前塩、和牛は後塩』
まずここで大事なことをお伝えすると、
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『肉が最もジューシーで美味しい水分量は42%』
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『先に塩を振ると浸透圧の関係で肉から水分が出る』
これを踏まえて、まずは和牛。
和牛は生産者が水分量を計算しながら飼育しています。
ですのでほとんどの和牛の水分量は約40%に調整されているんですよ。
先に肉に塩を振ってしまうと、浸透圧の関係で水分が肉から出ていってしまうため、水分量42%から遠ざかってしまい、ジューシーさに欠けるお肉に
結果、和牛の正解は『焼いた後に塩を振る』!
先に振りたい場合は、焼く直前に塩を振ってください。
次に外国産。
外国産は日本人と食の好みが違うため、肉の水分量は多めに調整しているんです。また肉に臭みがあるんですよね。
そのため、塩は"焼く10分前"に塩を振っておきます。
それにより余分な水分が出て、臭みも減ります。
結果、外国産の正解は『焼く10分前に塩を振る』
やっと焼くところまでやってきましたね。
【3.焼き方】
焼き方のポイントは2つ
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中心温度60度
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余熱で中心まで火を
まずステーキの場合、焼き加減をどうするかを考えます。
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レア…中心部の温度は50〜60℃程度。
生よりは歯切れが良く食べられますが、外国産だとややスジっぽさを感じる段階です。
たんぱく質が加熱によって縮む前なので、硬くなってはおらず、肉汁は肉の繊維の中に留まっています。
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ミディアムレア…中心部の温度は55℃~65℃程度。
タンパク質が固まり始めています。
そのため歯切れが良く、肉汁もあまり出ていない状態です。
一般的に1番おすすめの焼き加減です。
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ミディアム…中心部の温度は60℃〜70℃程度。
たんぱく質固まり出しています。
そのため、歯切れは良く、肉汁が繊維から染み出してきます。
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ウェルダン…中心部の温度は70℃〜77℃程度。
表面にしっかりと焼き色がつき繊維は収縮、繊維から肉汁が滲み出てきます。
外国産の場合は、ウェルダンにしてしまうと、噛み切れない場合は、あるので、ウェルダンの場合は、国産以上のお肉が必要ですね。
色々と焼き加減がありますがどうやって判断するのと疑問に思うと思います。どうやって判断するかというと、ステーキを指で押して判断します。
先程お伝えした通り、1番のおすすめはミディアムレア。
今回はここを目指して手順を説明しながら焼いていきましょう!
1.フライパンに牛脂を入れ、強火で煙が出るまであたためます。
サラダ脂ではなく、牛脂を使うことをおすすめします。
牛の脂には旨み成分が非常に多く含まれています。
そのため赤身ステーキの場合、旨味成分をプラスしてあげるためにも牛脂で旨みをコーティングしてあげるイメージです。
コクもプラスしたい!という方もいると思うので、その場合は少量のバターを加えるのもいいですね。
そしてここがポイントの2つ目【中心温度60度】
強火にしておく理由としては、長い時間をかけて焼いてしまうと、中まで火が入ってしまい、中心温度が60度を超えてしまいます。
肉のタンパク質は60度を超えるとタンパク質が凝固しだし、焼けば焼くほど硬くなっていきます。
それを防ぐために、強火で表面をサッと焼くのがベスト!
いやいやなら弱火でじっくり焼いたらいいじゃん!と思うかもしれませんが、それだと『メイラード反応』が発生しないんです。
メイラード反応は、お肉に焼き色を付けることで、旨味と香ばしさをプラスすることができます。
正直このメイラード反応を起こさないのは、ナンセンス!
おこさないと味がそっけなくなってしまい、物足りなさを感じてしまうんです。
だから焼き色を付けて、中心温度60度を超えないには、『強火でサッと』が重要です!
そして最後に余熱で出来上がり。
【4.余熱で仕上げる】
え?焼いたらすぐ食べるんじゃないの?冷めちゃうじゃん!
ですよね!僕も昔はそう思っていました。
たぶん結構な人もそう思っていると思います。
でもすぐに食べたらダメなんです。
皆さんが忘れがちな余熱。
フライパンから上げても、お肉に熱は残っているんです。
それを利用して中心まで火を入れていきます。
ここでするのは、簡単!
・アルミホイルに肉を入れ包み、5分ほど置く。
ラップ等で包むと書いている人もいますが、アルミホイルは外に熱を逃がしづらいので、アルミホイルがおすすめです。
これに肉の中心まで火が入り、外は”サクッ”と、中は柔らかくて最高の肉に!
ここで終わっている人が大体ですが、私の場合は、この後もう一度フランパンを中火状態にして、表面だけサッと焼きます。
これにより、さらにジューシーさが増して美味い肉になるんです。
少し手間ではありますが、味は抜群ですよ♪
焼きすぎにだけ注意して下さいね!
【ステーキ召し上がり方簡易手順】
ではおさらい!
この手順さえ守ればあなたも3倍美味しくステーキを焼けますよ!
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冷凍されている場合、前日にチルド室で解凍。
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焼く30分~1時間前に常温で完全解凍。
- 肉100gに対して1gの塩を準備。
- フランパンに牛脂を入れ、強火であたためる
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ステーキを入れ、両面の表面に焼き色が付く程度で、サッと焼く
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アルミホイルに包み、5分置く
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フライパンを中火にし、両面サッと焼く
【まとめ】
長いことお付き合いいただき誠にありがとうございました♪
いかがだったでしょうか?
少し作業が多かったですが、どうせなら美味しく食べたいですよね!
ステーキを美味しく食べるには、手間をかけてあげるのが大事です。
是非試してみて下さいね♪
【ステーキのおすすめ部位】
ステーキのおすすめ部位をご紹介。
後日更新。お楽しみに。